渡辺知明「表現よみ作品集」

「第八夜　床屋の敷居を跨いだら、白い着物を着てかたまっていた三四人が、一度にいらっしゃいと云った。」
新バージョン

10年ほど前に「蟹工船」のブームがあった。そのときに全編を録音してＣＤを作成して販売した。その冒頭部分をあらためて聴いてみたら、なかなかおもしろいのでアップする。

2013年6月2日(日)第23回渡辺知明表現よみ独演会での録音である。名人というものの本質についてこれほど明確に表現した文学作品があるだろうか。

「第七夜　何でも大きな船に乗っている。この船が毎日毎夜すこしの絶間なく黒い煙を吐いて浪を切って進んで行く。」

新バージョン

2014年6月1日、第25回渡辺知明表現よみ独演会での録音。

「運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。」

新バージョン

「こんな夢を見た。何でもよほど古い事で、神代に近い昔と思われるが、自分が軍をして運悪く敗北たために、生擒になって、敵の大将の前に引き据えられた。」

新バージョン

「広い土間の真中に涼み台のようなものを据えて、その周囲に小さい床几が並べてある。」
新バージョン

　2006年11月5日(日)第11回表現よみオーの会での実況録音である。新年１月２日に苦沙弥先生の家に水島寒月がやってきて、迷亭に誘われて西洋レストランに行った話をする。そのあとで、「朗読会」に参加しないかという誘いをするのである。※20時間にわたる渡辺知明の全編録音版は下記で販売中！

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新美南吉の代表作のひとつです。「これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。」

新美南吉の代表作のひとつです。「寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。」

　背中に負ぶっている子どもはいったい何の象徴なのだろうか。明治維新にからむ事件のような気がするのだが……。これも、なかなか意味が分からない作品である。
　第六夜「こんな夢を見た。六つになる子供を負ってる。」新バージョン

　夏目漱石「こころ」中の十八章を少しずつまとめてアップする。各章の書き出しを冒頭に付け足しておくことにした。
　　　　　　　　　　　　　　　＊
「一　宅(うち)へ帰って案外に思ったのは、父の元気が……」
「二　私は母を陰へ呼んで父の病状を尋ねた。」
「三 私のために赤い飯を炊いて客をするという相談が……」
「四 小勢（こぜい）な人数（にんず）には広すぎる古い家が……」
「五　父の元気は次第に衰えて行った。」
「六 八月の半ばごろになって、私はある朋友から手紙を受け取った。」
「七 父は明らかに自分の病気を恐れていた。」
「八 九月始めになって、私はいよいよまた東京へ出ようとした。」
「九 私がいよいよ立とうという間際になって、たしか二日前……」
「十　父の病気は同じような状態で一週間以上つづいた。」
「十一　こうした落ち着きのない間にも、私はまだ静かに座る余裕を持っていた。」
「十二　兄が帰ってきた時、父は寝ながら新聞を読んでいた。」
「十三　私の書いた手紙はかなり長いものであった。」
「十四　父の病気は最後の一撃を待つ間際まで進んできて、」
「十五「先生先生というのは一体誰のことだい」と兄が」
「十六　父は時々うわごとを言うようになった。」
「十七　その日は病人の出来がことに悪いように見えた。」
「十八　病室にはいつの間にか医者が来ていた。」

　座禅での内面的な葛藤が描かれた場面である。「こんな夢を見た。和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると行灯がぼんやり点っている。」新バージョン

　夢の中の女が約束を迫るという話だ。「こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。」新バージョン

2017年11月20日(金)川崎多摩表現よみの会のドラマリーディング。宮沢賢治作「カイロ団長」(構成:渡辺知明)

もう10年前、2002年11月10日に読んだものであるが、ネコやイヌがブームになっている今、改めてアップする。
前半

後半

　今年2016年は夏目漱石没後100年です。それを記念して、代表作「吾輩は猫である」の総合もくじを作りました。朝日新聞では、4月1日から連載になります。全体のながれを見通すのに便利です。
　使用テキストは、『吾輩は猫である(上・下)』(1996偕成社)です。カッコ付きの数字は、章ごとのエピソード番号です。そして、(　)内にはページを示しました。
●第１章から第６章

●第７章から第11章

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中原中也「汚れつちまつた悲しみに……」1934『山羊の歌』より
表現よみ：渡辺知明

夏目漱石「こころ上」1/36
「私はその人を常に先生と呼んでいた。だから、ここでもただ先生と書くだけで……」
表現よみ：渡辺知明（5分39秒）

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